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#272 [ディベート+東京研修'12]6◆最高裁の貫禄、櫻井龍子判事との会談

 猛暑の中、ANAホテルを後にし、溜池山王駅から再び永田町駅へ。今度は最高裁判所を見学させていただくからだ。最高裁判事である櫻井龍子氏は九大のOGであり、ここ数年毎年私たちのゼミの見学を受け入れてくださっている。今年も快く引き受けてくださってありがたい限りだ。最高裁の正面口にはおなじみ(らしい)黒瀬秘書官が。(先輩方は2度目なので。私は初対面。)背が高くてカッコイイ黒瀬秘書官に憲法の番人の正面で記念撮影をしていただき、内部へ。

最高裁正面
(無愛想で荘厳なコンクリートの庁舎である)

 まずは裁判棟に案内される。ここは各小法廷ごとに階が分かれており、それぞれに各判事の執務室と評議室があるところだ。もちろん15人の判事がお仕事をフツーになされているので、静かに移動。印鑑に使われるような独特の書体で書かれた表札に、「櫻井龍子」の文字。まずは受け入れてくださった櫻井判事に挨拶をば。秘書官室を通って執務室へ通される。だだっ広い部屋に笑顔の櫻井判事がいらっしゃる。「あら〜お久しぶりね〜」と明るく迎えていただいた。判事の机があり、そこから少し離れた別のテーブルにPCとプリンタ。応接用の低いテーブルとソファもある。さすが最高裁判事!恵まれた環境でお仕事をなさっている。判事から部屋の説明を一通り受ける。「あのPCで少数意見を書きます」や、書棚を指し示しながら「専門外のことも審理しなければなりませんから、学説を参照することもあります。もしかしたら皆さんが使われている本があるかもしれませんね。」と。見れば内田民法が4つ揃っている。少し親近感が湧く。
 説明の後、判事としばらくのお別れをして、最高裁の見学を続行する。同じ階には評議室もあった。昔はいかなる外部の人にも公開していなかったそうだが、裁判員裁判の開始などにより開かれた裁判所が謳われたことに合わせて、我々にみせていただいた。丸テーブルに5つの椅子。各椅子の横には書物を置くための台が用意されている。判事たちはここに座って評議をしているのだ。丸テーブルの向かいには2人用の長方形テーブルもある。調査官用らしい。評議中、評議室は固く閉じられ外部との接触が断たれるため、事務方を呼んだりするためのブザーボタンも設置されていた。秘書官もおっしゃっていたが、ここは冒涜が許されぬ神聖な場。その雰囲気に我々も圧倒されてしまった。
 次に図書館棟へ。その途中調査官室があった。15人の判事を強力にサポートする優秀な裁判官集団の職場をしれっと通過してしまっていいものか。いや、ここはお邪魔せずに通過してしまった方がいいだろう。図書館にはボアソナードの像があったり、田中耕太郎直筆の書があったりと、小さな資料館としての機能もあった。
 さらに進むと正面ホールの上を通るブリッジに到着。ここは判事たちが、事件の当事者と接触せずに法廷まで行けるように作られた通路とのこと。眼下に見える正面ホールには、これまた修学旅行生のような団体が集まっていまから大法廷の見学へ行こうとしているところだった。そして案内されたのは第1小法廷。最近使っていないそうで換気ができておらず、秘書官をして「サウナ」と言わしめる暑さであった。大法廷たまにテレビで観たりするが、小法廷を見るのは、私おそらく初めてではないか?大法廷もそうであるが、法律審である最高裁は基本的に弁論を開かないので、証人台がない。検察官席と弁護人席も下級審と逆なので、不思議な感じがする。
 そして修学旅行生が帰ったあとの大法廷へ。憲法の番人の象徴といってもいいこの法廷で、いくつもの判例が出されてきた。ノートに「最大判」と書いてメモしたあの判決はここで言い渡されたのか。傍聴席に座りながら秘書官の説明に耳を傾ける。言われるまで気づかなかったが、大法廷には巨大な掛け絵(?)がある。明暗が対照的な2つの掛け絵だった。天井からは自然光を取り入れる構造になっている。説明の後、特別にと判事席に座らせていただいた。判事になった気分を少しだけ味わえた。判事はこういう視線で法廷を眺めているんだな。裁判員に選ばれると、法廷の広さは違えど、私もこの視線を権限をもつ人間として味わうことになる。何か気が引き締まる思いがした。

大法廷1
(大法廷)

大法廷2
(大法廷の判事席から)

大法廷3
(大法廷の天井)

 大法廷見学のあと、今度は事務棟にある会議室へ。いままでの荘厳な雰囲気から一変して、事務棟は普通のお役所の事務をしている場所と変わらない。市役所と変わらないような、むしろそれより手狭な印象だ。その一角にある会議室で再び櫻井判事と面会する。トイレ休憩のときに事務棟にあるコンビニに立ち寄る。普通に雑誌など売られているが、人前で買いにくい雑誌を買っていく人がどれだけいるのだろうか。
 さて櫻井判事も到着されて、会合スタート。まずはDVDを観ていただく。DVDというのは、実はうちのゼミのある1回をその名も「櫻井龍子判事とはいかなる人物か」というテーマで行い、その成果の一つとして判事の高校・大学の頃の様子を再現ドラマとしてまとめたものである。報告班は判事の出身高校まで行ったり、大学時代の友人に取材したりして綿密な映像をまとめ上げた。「これ櫻井判事に観てもらおうよ!」と言い出したうちの先生が、実際に判事を横にして「あ〜失礼にならなきゃいいんだが…」と不安になっていて、私まで不安になる。結果としては判事は笑いながらDVDを観ていらっしゃった。ホッとする。ただ、「こんなこと言ってないわよ〜」とか「こんなことあったかしら〜?」など内容の半分はデマ若しくは真偽不明ということであった。それでも故郷の映像に懐かしさを感じることができよかった、と感想を述べていただいたから、作成者としては嬉しかったに違いない。
 そこからは、判事から裁判員制度に関して簡略な説明をしていただき、質疑応答へ。私は裁判員裁判の上訴についてどう考えているのかという旨の質問をした。というのも、裁判員裁判の判断を上訴審でも尊重しましょうという風潮が裁判所にある、という評を耳にしたことがあり、無批判とは言わずとも下級審判決を「尊重する」ことは上訴制度の趣旨に反するのではないかと考えていたからである。これに対する判事の応答は趣旨をまとめると次のようなものだったと思われる。裁判員裁判の導入によって事実認定の方法が変わった。もちろん事実認定に明確な誤りがあればそれは正されなければならないから、その点で下級審の判決を盲目的に受け入れているわけではない。ただ、今までやってきた論理則・経験則に基づいた事実認定と違うからという理由で上級審が裁判員裁判を覆すことは許されず、裁判員裁判の事実認定がこの部分がこういう理由でおかしいというように、明確に瑕疵を指摘しないとダメだということだ。これは2月に(まさに第1小法廷で!)出された判決に沿う内容であったが(最(1)判平24・2・13)、判事にはより詳しく説明していただいた。(この質問だけで10分ほど使ったのではないだろうか。他に質問をしたかった方ごめんなさい。)この判例は1審無罪→2審有罪のケースだったため、先生が「逆の場合(1審有罪→2審無罪)も同様ですか?」と追加質問。判事は「それはそういう事案が上がってこないとわかりません。」うん、さすが判事。ヘタに口を滑らせることはしないのである。その後に2つほどの質疑があり、それにて最高裁見学は終了。櫻井判事と秘書官にはお仕事を中断して我々に付き合っていただいた。心より感謝を申し上げる次第である。


 さて夕食であるが、そのまま櫻井判事と秘書官、それにもう1人櫻井判事室に所属していらっしゃる森田事務官とともに最高裁近くのレストランで会食である。判事は旧労働省の官僚でいらっしゃったので、公務員志望のメンバーはそれについてのお話しで盛り上がっていた。「大学とかで役に立たないと思いながらもしょうがなく勉強してたことがね、意外と後々使えたりするのよ〜。」と判事に言われ、改めて学業を極める決意を固める。(さてこの決意はいつまで続くか。)黒瀬秘書官には社会人としての作法とか考え方、あり方をお話しいただき、これまた非常に感銘をうけるものだった。残念ながら私は森田事務官とは席が離れていて喋ることができなかった。判事は本当に明るく快活にお話しをされる方で、(語弊を恐れずに言うが)近所の商店街にいそうな陽気なおばちゃんって感じなのだ。(やっぱ怒られますかね?こう書いちゃうと。。。)ただ、我々の長テーブルと通路を挟んだ列のテーブルの1つに、たまたま最高裁の職員がやってきたのだが、櫻井判事を確認するなり「あっ!判事!!」と言ってお辞儀をされていたのを目の当たりにして、改めて凄い方なのだと実感した。
 我々は9時から別の会食があり、8時半頃にお開きに。判事を見送って、黒瀬さん森田さんにお礼を言い、次の目的地・六本木へタクシーで向かう。福岡にいてはなかなかできぬ体験のオンパレード!判事、今後も私たちのゼミをどうぞよろしくお願いします。


[2012/10/14(Sun)]
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